日本の仕事ドラマはビジネス日本語学習に役に立つ!
上級レベルの日本語を学習する皆さんの中には、ビジネス日本語についてもっと知りたい・学びたいという人も多いのではないでしょうか。
そうした人におすすめなのが、日本の仕事ドラマです。
日本はアニメだけではなく、ドラマも豊富です。
コメディ・恋愛・ミステリーなど、さまざまなジャンルのドラマが放送され、私たちの生活に刺激を与えてくれます。
日本のドラマの放送期間は、基本的に約3か月、10話前後で構成されているものがほとんどです。1話は40〜50分の長さ。
つまり、1つの作品をイッキ見すると、平均7から8時間はかかる計算になります。その長さは、映画のおよそ4倍。
このように日本のテレビドラマは、映画以上に見応えのある作品ばかり。とはいえ、映画とは違って1話は40〜50分で終わるので、日本語の学習にはちょうど良い長さです。
ここでは、日本のビジネスドラマ/仕事ドラマの中から、ドラマ大好きな夢ノ富士が上級レベルの日本語、特に、ビジネス日本語について学んでいる外国人におすすめのドラマを5つ選んでご紹介します。
ビジネス日本語を学ぶためだとしても、ドラマとして面白くなければ、日本語の勉強をする気持ちにはなりませんよね。
大丈夫です。ご紹介するのは、どれも日本語の語彙・文法の力や聴解力の力をつけるのに役立つだけでなく、何度も観たくなる名作ばかりです!
上級レベルの人は、この機会にドラマを観てビジネス日本語習得を目指しましょう!
このページが役立つ人
・上級レベル、特にビジネス日本語を学んでいる外国人学習者
・ビジネス場面など実際に日本語を使う場面を意識して学びたい人
・上級レベルの日本語の語彙力・聴解力を楽しく身につけたい人
・外国人の友人からおすすめの日本の仕事ドラマを尋ねられた人
・上級レベルの日本語を教えている人
このサイトの運営者について
- 日本の国立大学大学院修士課程修了。
- 日本語教育歴=日本語国語問題作成歴、20年以上。
- 国内外での公的機関の日本語の試験問題作成の経験者。
- 上級レベルの日本語教授が得意。
上級の日本語の学習法やJLPTの対策では私が横綱です!
上級レベルの日本語学習には日本の仕事ドラマ
ビジネス・仕事ドラマのセリフは、実際のさまざまな場面に沿ってその状況で使われる日本語が使われています。
だから、ドラマが日本語学習に役立ちます!
上級レベルの日本語学習では、ビジネス場面で使われる日本語力をつけることが重要になってきます。そこでおすすめなのが日本の仕事ドラマを観て学ぶことです。
しかも仕事ドラマには、日本での生活やビジネスに役立つ情報や関連する語彙が溢れています。
それに、俳優の演技によっては日本語の発音が明瞭でなく、より実際の会話に近いものになっています。そのため、語彙を増やしたい、実際の会話のリスニングの力をつけたい上級の日本語学習者には、ピッタリなのです。
では上級の日本語の勉強に役に立つおすすめの仕事ドラマを見ていきましょう。
観て楽しい!上級の日本語学習に役立つ仕事ドラマ
『これは経費で落ちません!』
『これは経費で落ちません!』(2019年)
【脚本】渡辺千穂、藤平久子、蛭田直美
【プロデューサー】難波利昭、戸谷志帆梨、岡宅真由美
【出演】多部未華子、重岡大毅(ジャニーズWEST)、伊藤沙莉、桐山漣、江口のりこ 他
☆ドラマとしてのおすすめポイント:
このドラマは、主人公が社内の巨悪の根源を叩き潰す!不正を盛大に暴く!というダイナミックな展開にはなりません。でも、主人公は、不正をしている人を見逃さず、一癖も二癖もあるワケありな人たちに立ち向かうのです。それが経理部の森若さん。多部未華子さんが演じています。
見始めて最初は、「愛想のない経理部の人だなあ。」と思うかもしれません。
でも次第に「森若さんって、めちゃめちゃ可愛い人!」と、最終回を観る頃には、観たほとんどの人が森若さんを大好きになっていることでしょう。
恋愛経験のない森若さんにアタックし続ける山田太陽くん(重岡大毅さんが演じています)も無邪気で可愛らしいです。2人の恋愛模様もドラマの中でほど良いエッセンスになっていて、最後まで楽しく観ることができます。
*あらすじを見たい方はこちらから
☆日本語学習としてのおすすめポイント:
リアルなビジネス場面(同僚・上司・取引先間)で使われる日本語を学べる。
主人公:女性。経理部で働く。
学習に役立つ日本語場面:ビジネス・日常生活
リスニングの難易度:中〜やや難
語彙の難易度:中〜やや難
日本語の勉強は二の次になるくらい楽しいドラマです!
『重版出来!』
『重版出来!』(2016年)
【脚本】野木亜紀子
【プロデューサー】那須田淳、東仲恵吾、八尾香澄
【出演】黒木華、オダギリジョー、坂口健太郎、荒川良々、安田顕、ムロツヨシ、永山絢斗 他
☆ドラマとしてのおすすめポイント:
このドラマの主人公は、スポーツ一筋の体育大学出身の女性。新卒採用の面接で背負い投げ、腕立て伏せなどを披露したところ、なぜか大手出版社に採用され、新米編集者としてコミック編集部で働くサクセスストーリーです。
快活でハツラツと一生懸命に働く女性主人公が、毎回まっすぐに全力で仕事や同僚の編集者や担当作家とぶつかっていきます。その姿には、観ているこちらまで元気をもらえます。女主人公のドラマなのに、恋愛要素がほぼ皆無なのも、逆に仕事へのひたむきさが観ている側に伝わってきます。
日本の漫画が好きな人におすすめな場面があります!
日本の漫画好きの皆さんにおすすめな点があります。ドラマの小道具として実際の漫画家さんの原稿が数多く登場する点です。
重版出来(じゅうはんしゅったい)とは、初版の発行部数を上回って、更に発行することを表す言葉だそうです。このタイトルらしく、本という媒体への愛もいっぱい詰まったドラマです。
*あらすじを見たい方はこちらから
☆日本語学習としてのおすすめポイント:
リアルなビジネス場面(同僚・部下・上司・取引先間)で使われる日本語を学べる。
主人公:女性。出版社で働く漫画の編集者。
学習に役立つ日本語場面:ビジネス・日常生活
リスニングの難易度:中〜難
語彙の難易度:中〜難
『わたし、定時で帰ります。』
『わたし、定時で帰ります。』(2019年)
【脚本】奥寺佐渡子、清水友佳子
【プロデューサー】新井順子、八尾香澄
【出演】吉高由里子、向井理、中丸雄一、柄本時生、内田有紀 他
☆ドラマとしてのおすすめポイント:
現代の仕事への向き合い方を正しく諭す痛快なドラマ。
業務時間内に効率良く仕事をこなし、残業をせずとも生産性の高い仕事ができる女性と、その同僚とが仕事への考え方を徐々にすり合わせていく物語です。
きちんと会社に貢献する仕事をした上で、プライベートと仕事への線引きをする芯の強い主人公なので、観ていても好感が持てます。
同僚・上司・クライアントとのやりとりはリアルそのものです。
(定時に帰るって)「やる気ないの?」と言われたり、
(子どもがいるから早く帰ると)「負けた気がする!」なんて思ったり、
(派遣社員だから)「パワハラ・セクハラを受けても何も言えない。」と考えたり、
日本で働く会社員はこんな風に感じながら仕事をしている(していた時期がある)のです……。日本の働き方についての問題提起も描かれていて、内容も濃いドラマです。
日本の働き方って・・・考えさせられます。
元婚約者が上司として自分の部署に異動してくるというドラマらしい展開もあり、恋愛要素もあり、そちらも楽しめます。
*あらすじを見たい方はこちらから
☆日本語学習としてのおすすめポイント:
リアルなビジネス場面(同僚・部下・上司・取引先間)で使われる日本語を学べる。
主人公:女性。WEB制作会社で働くディレクター。恋人がいる。
学習に役立つ日本語場面:ビジネス・日常生活
リスニングの難易度:中〜難
語彙の難易度:難
『下町ロケット』
『下町ロケット』(2015年)
【脚本】八津弘幸、稲葉一広
【プロデューサー】伊與田英徳、川嶋龍太郎
【出演】阿部寛、土屋太鳳、吉川晃司、立川談春、安田顕、竹内涼真 他
☆ドラマとしてのおすすめポイント:
仕事への情熱とプライドを詰め込んだ感動エンターテインメント作品です。
東京都・大田区のある町工場でロケットのエンジン部分の開発を行うために紆余曲折するストーリーです。
「ロケット編」・「ガウディ計画編」と2部構成に分かれていますが、主人公を演じる阿部寛さんの迫真の演技に魅了され、主人公が絶体絶命のピンチを何度も乗り越える物語に夢中になり、あっという間に観ることができます。
町工場は、大企業に比べると従業員数も、規模も、設備も劣ってはいます。ですが、大企業の圧力にも屈することなく自分たちの技術に誇りを持ち続けることで、大きな逆境をも乗り越えることができるという信念。そうしたドラマの登場人物たちの不屈の闘志に観ている私たちも感化される作品です。
*あらすじを見たい方はこちらから
☆日本語学習としてのおすすめポイント:
日本の中小企業で働く人たちのアツい姿を通して日本語を学ぼう!
主にビジネス場面(同僚・部下・上司・取引先間)で使われる日本語の情報を得ることができます。
主人公:男性。銀行員。
学習に役立つ日本語場面:ビジネス・日常生活(家族)
リスニングの難易度:中〜難
語彙の難易度:中〜難
『半沢直樹』
『半沢直樹』(2013年/2020年)
【脚本】八津弘幸
【プロデューサー】伊與田英徳
【出演】堺雅人、上戸彩、及川光博、片岡愛之助、北大路欣也、香
☆ドラマとしてのおすすめポイント:
倍返しだ!!
日本で最終回の視聴率で42.2%という驚異の数字を叩き出した、超大ヒットドラマです。「やられたらやり返す、倍返しだ!」のフレーズは、流行語にもなり、日本人で知らない人はいないかもしれません。
「現代版・歌舞伎」と呼ばれるほど、俳優さんだけでなく歌舞伎界からも豪華な面々がキャスティングされていて、舞台さながらの発声と大ぶりな演技がドラマの世界観に見事に合っています。
喜怒哀楽を大胆に表現した大迫力の演技は、このドラマでしか観られません。
勧善懲悪ストーリーで「正義VS悪者」の図式もわかりやすいです。
主人公の半沢が追い込まれて追い込まれて「もうダメだ。」というときに、まさかの逆転が!という流れがこのドラマの定番です。
それなのに、「今度はどんな逆転劇を見せてくれるのか」という期待感を常に持って観続けられるドラマです。
2020年には新シーズンが放送され、こちらも最終回の視聴率は32.7%。日本での伝説の仕事ドラマと言っても過言ではありません。
*シーズン1のあらすじを見たい方はこちら
*シーズン2のあらすじを見たい方はこちら
☆日本語学習としてのおすすめポイント:
主に銀行が舞台なので、ビジネス場面(同僚・部下・上司・取引先間)で使われる日本語の情報を得ることができます。
主人公:男性。銀行員。
学習に役立つ日本語場面:ビジネス・家庭(生活)
リスニングの難易度:難
語彙の難易度:難
上級の日本語の力を伸ばしたい外国人には日本の仕事ドラマはおすすめ!
上級レベルでは、実際の日本での日常生活に加えて、ビジネス場面での日本語力があるかどうか重要になってきます。
そうした実際のビジネス場面で使われる、生きた日本語を勉強したい外国人の学習者には、日本のビジネス・仕事ドラマがおすすめです。
ドラマを通して、語彙力もヒアリング力もつけることができるからです。
ここでご紹介したドラマ以外にも、日本語の勉強になるドラマはたくさんあります。
上級の日本語の語彙力や聴解力をつけたい方、日本のドラマをたくさん見て、力をつけていきましょう!
条件表現が苦手な上級レベルの日本語学習者におすすめなのが、日本のミステリー・サスペンスアニメです!
[おまけ]
N1読解に合格するために、効率よく勉強できる問題集・参考書も紹介しています!
出版されている問題集や参考書の中から、N1読解の対策・学習をしたい人におすすめの本を4冊ご紹介しています。
私、夢ノ富士は、問題作成の経験が20年以上のベテランです。
その私が厳選した問題集・参考書です。ぜひ、JLPT N1の読解対策に役立ててください!