N1読み物

N1 日本語の読み物 | (N1level Japanese Reading Practice Material)[Free][1100〜1200字]

当サイト、日本語横綱を見にきてくださり、ありがとうございます。

ここでは、自作の日本語の読み物(1100〜1200字程度)を無料で公開しています。

1100字〜1200字程度のテキストなので、読み応え十分です。

上級レベルの日本語学習者の方や上級レベルの日本語を教える方に多読用の読み物として、読解用の教材としてなど、自由に使ってもらえたらうれしいです。

今後もこのオリジナルテキストを増やしていきます!

夢ノ富士雅久

こんな方におすすめ!

JLPTN1レベル・上級レベルの日本語の読み物をたくさん読みたい人

JLPTN1レベル・上級レベルの日本語の学習や教材用にテキストを探している人

JLPTN1読解の力を身につけたい人

夢ノ富士雅久

簡単に自己紹介を!

問題作成の
横綱!
名前:夢ノ富士 雅久(ゆめのふじ まさひさ)
  • 日本の国立大学大学院修士課程修了。
  • 日本語教育歴=日本語国語問題作成歴、20年以上。
  • 国内外での公的機関の日本語の試験問題作成の経験者。

日本語の問題作成、対策では私が横綱です!

テキストはオリジナルで、近年の日本事情を踏まえた内容のものも多いです。語彙のレベルをやさしめにするといった調整をしていません。

読めない・難しいと思ったときは、例えば、

Chrome でウェブページを翻訳する

更改 Chrome 采用的语言和翻译网页

Chrome 언어 변경 및 웹페이지 번역

Change Chrome languages & translate webpages

などの、翻訳機能を使って母語に翻訳して大体の内容を確認してから、日本語の文章を読んでみてください。

夢ノ富士雅久

翻訳機能を使ってみましょう!

それでは、日本語横綱で日本語の読み物をたくさん読んでください!

コロナ禍による社会変容とマスク [1100字]

 人間生活に外せない三つの密、密閉・密集・密接を避ける暮らし方は、これまで私たちが考えたこともなかった生活スタイルでした。3密を避けることによって「食べる」「飲む」や「喋る」などの基本的な行為・動作が制約を受けるなどと思いもよらないことでした。

 感染対策に効果的として「マスク」着用が義務化されました。これが功をそうしていることは確かです。着用が一瞥してわかるので、結構徹底されておりました。とはいえ、マスクは実に鬱陶しいものです。できればしたくないものですが、人間、慣れると順応してしまうのですね。

 マスクといえば、タイガーマスク、防毒マスクなどといった顔をすっぽり隠すお面、仮面、覆面があります。塵芥、毒素、悪臭、閃光から呼吸や顔面の打撲、火傷を保護するものでもありますが、舞踏会や演劇、芝居では演出の一つとなります。強盗などは判別をごまかすために着用しますね。

 コロナ禍で日々着用するようになった半分顔を隠すマスクは、病原菌の侵入防止や拡散抑制に役立つ衛生用品です。口元の表情がかなり感情や思いを伝えることを思えば、マスク着用は伝達不足が否めません。反面感情や思いのごまかしや隠しに利用できます。対面するときは、顔全体で人を把握するものですが、目と眉、額のみの露出だけでは人柄や感情がつかみにくい。こちらからも伝えにくいのでもどかしさが伴います。また、口元の動きも含めて言葉がいっそう明確に伝わるものですが、マスクの遮断で会話が聞き取りにくいのも確かです。私が歳をとったせいもあるかもしれませんが。

 地球上の生き物の中で、マスクを使うのはヒトだけです。類人猿との進化を分けるものに、言葉をもつ、道具を使う、火を使う、これらがありますが、下着のパンツの着用もずいぶん昔から言われていたそうです。その伝でいえば、マスクは顔に履かせたパンツみたいなものです。人類、ヒトの証と考えればまんざらではなくなります。そういえば、マスクはこれまでの長い間、白が主流で形もデザインも色も大差はありませんでしたが、ここ1年余り、形状、デザイン、色合いなど個性を競うようになりました。パンツの変化や発達、進化に似ていますよね。

 人間は何かを隠されると、何でもなかったものが気になりだします。今のように隠すことが日常になると、外すのが恥ずかしくなってくるものです。唇が次第に怪しげな色合いを帯びてくるのではないでしょうか。マスクをすることでノーメイクや無精髭でいられるので、便利でありがたいこともありますね。コロナが終息しても時に着用する人が一定程度残るかもしれません。

今、大切にしたいこと [1100字]

 新型コロナウイルスの流行やウクライナで戦争が起きている今、親として一人の人間としてできることは何だろうと考えるようになりました。 

 私が出した結論は「世間に流されない、何者かに搾取されない生き方をすること」です。

 皆さんも他人事だとは思わずにぜひ考えてみてください。

 自分には関係がないことだと思ったまま世間に流されると、この先自分というものを失ったり、奪われたりしてしまうかもしれないからです。

 流されない・搾取されない生き方を子どもたちに教えていく責任を親は持っていると考えています。

 日本には米という食糧や野菜もあるにもかかわらず、食糧危機が迫ってきています。

 これを私はとても不自然だなあと思って見ています。

 私の目の前には米も野菜もたくさんあるのです。田んぼも畑も山もあります。でも、耕作放棄地になってしまっています。米なんて余りすぎて安く買い叩かれて、とても割りに合わない値段での取引が普通なのです。

 実際は目の前にいっぱいあるのに、地球資源の石油をわざわざ使って輸入していますよね。目の前にある物を買わないため、結果的に私たち日本の農家は苦しい状況に追いやられています。

 私個人は、「今ある物を活用する」ということを行動の基本にしています。私は農園事業をしていますが、事業をむやみに広げることはしません。必要な物を揃えていくときも、家にある物や頂き物を活用したり、フリマアプリで購入するなどしています。こうしたことが事業者として良いのか悪いのかは誰が決めることでもないですし、大きな借金をすればやりたいと思うことがどんどんできるでしょうが、社員も私も無理をして働くような環境にならないようにすることを第一に考えて進めています。

 そして、ここで皆さんにお願いしたいことがあります。

1)プランターからでいいので、食べるものを自分達で作ってみること

2)自分では農作物を作れなくても、身近な農家と一緒に田畑を耕す、または購入することで農家を支えること

 この2つです。

 まずは1食分の野菜でいいので、自分で作ってみたり、身近な農家から買ってみたり、週末に農家に手伝いに行ってみたり。そんなことから子どもや家族や友人と始めてみませんか。

 できることから。それが小さなことでも、その踏み出した一歩はとても尊いものです。

 もし、農作物を作ることが当たり前の生活をされているのであれば、自分が食べる物を自分で作ることの素晴らしさを子どもや家族・友人と改めて話してみるのも大事なことだと思います。

 さて最後に。先月末から自分の体のメンテナンスを行っています。人間ドックを受けて健康チェックをしたり、パーソナルトレーニングを受けたりして。日々元気で活動できるように体を鍛えようと思います。自分の人生を流されずに生きるためにも、日頃の体のサインを見逃さず、自分を大事にしたいですね。

食とは? [1200字]

 皆さんにとって「食」とは、どのようなものですか。

 私は母としても、お惣菜・お弁当の店のオーナーとしても「食」に関わり、1日中食べ物に触れています。自分の作った食で家族の体が作られたり、お客さまの体の一部になるのだと思い、真摯に向き合っています。

 私にとっての「食」とはどのようなものか考えてみました。

 まず、栄養面。「まごわやさしい」、つまり、「まめ、ごま、わかめ(海藻)、やさい、しいたけ(きのこ)、いも」を意識して、何を摂らないかではなく、何を摂るかで考えています。そして、日本で昔から作られてきた味噌や醤油、糀などを使いシンプルに仕上げるようにしています。

 次に、家族に食事をという点から。私は料理が好きですが、家族のための料理は、楽しむ余裕がないまま作ってしまっています。料理をいかに簡単に作り、美味しく、栄養も取れて子どもが食べてくれるか、こうしたことを毎日毎日悩んでいて、ふと気がつくと、メニューのことばかり考えています。とはいえ、お店に出す商品のアイディアに繋がることもあるので悪いことではないと思っています。ただ一方で、「なぜ私(女性、母)ばかりが時間を気にして、家族に食事を作らなきゃいけないの?」そんな疑問を持つようになりました。今は共働きが当たり前の世の中です。若い世代では、男性も食事を用意するようになってきていると聞きます。もしあなたが家族の誰かに食事作りを任せっきりにしていて、テレビを見ていたり、ゲームをしていたりするなら、せめて時々は、食事を一緒に作ったり、食事を作ることを通して家族皆の健康を考えたり、食事にかかる費用を考えたりすることをやってくれたら嬉しいです。例えば私の家庭だと、夫が一週間に一回でも食事を作ってくれるならば毎回カレーでもありがたいですし、助かります。

 そして、お惣菜・お弁当店のオーナーとしての「食」とは、ですが、私はお客さまに提供することを考え、家庭での課題となる、

・バランスよく栄養を摂りたい

・食事を作るのが大変だ

 これらを解決するために商品メニューを考え、旬の野菜や発酵食品をうまく使い、おかずにしてお客さまにお届けしています。また、毎日食べても飽きないような家庭の味付けを心がけ、あまり特別でないメニューにしています。

 私は、家庭でもお店でも、食事作りで意識するのが、食事をバランスよく摂らずに早くに亡くなってしまった父の存在です。日々の食事で体も心も健全に作られます。いかに食事が大事であるか。日々の食事作りは大変ですが、尊い作業であると思っています。家庭では、そうした思いがあって食事が出されていることを子どもたちにも伝えています。恵みを食材として分けてくれている自然、食材を作ってくれた人、食材を運んでくれた人、売ってくれた人、体を思って料理してくれた人に感謝し、毎日笑顔あふれる食卓にしたいです。

 もちろん、私が作った食事を食べてくれる家族やお客さまにも感謝しています。

 食事を作ることで人を応援し、心を温め、支えることが私の幸せなんだなあと思っています。

温泉地の変化 [1200字]

 温泉は高度経済成長期に宴会の場として利用され、歓楽化が進展していった。特に、招待旅行が各業種で継続的に実施されるとともに、会社員・団体職員の慰安旅行も職員厚生の一環として活発となり、年に一度の温泉旅行が職場を挙げて行われた。温泉旅行は多くの労働者の楽しみとなり、温泉地は列車や貸切バスで訪れる団体客で賑わうとともに、温泉街でも各種遊興施設が多数発生し、温泉地の観光地化が進展していくことになる。このように、増大する観光客に対処しつつ画一的な観光温泉地へと相次いで変容し、「温泉ブーム」の到来とともに、多くの施設で多額の設備投資が行われた。その結果、宿泊施設は大型化・鉄筋コンクリート化が進められるとともに、温泉街の高層化や外来資本の参入による新しい宿泊施設の建設ラッシュが進展していくことになる。さらに、道路交通整備・鉄道の高速化・観光バスの運行などにより、温泉地へのアクセシビリティの向上が進められていった。一方では、温泉地本来の機能である療養的・保養的機能の強い多くの湯治場は次第に消失するとともに、無秩序な環境破壊・景観破壊も進み、温泉地の没個性化を招く結果となっていく。

 しかし、バブル経済崩壊後、国民経済の低迷とともにかつて賑わいをみせた歓楽温泉地は衰退していくことになる。それに対して、消費者の本物志向と温泉療養・保養機能が見直され、野趣あふれる山間の秘湯が人気となる。特に、東北・上信越・中九州の山間部などには、伝統的な療養・保養機能を有する湯治場が現在でも残っており、最近の湯治ブームで「現代版湯治湯」として再考されつつある。

 平成に入ると、全国的に日帰り温泉施設が官民問わず各地に新設され、急増した。宿泊客を対象としてきた既存の旅館でも、入浴のみの日帰り客に温泉浴場を開放して、経営の向上に資している例が多くなった。その背景には、バブル経済の崩壊で、低料金で入浴を楽しめる温泉施設への需要が高まったことや、ふるさと創生一億円事業によって、地域行政体が地域振興の一環として積極的に温泉施設を建設したこと、そして何より、従来温泉資源と無縁であった非火山地域でも、地下1,000m以上の大深度掘削によって温泉を確保できるようになったことなどが挙げられる。これによって、これまで温泉など考えられなかった地域に次々と新たな温泉を出現させ、温泉観光客の行動形態を大きく変えることになった。

 現在、温泉がメディアに取り上げられることが多くなり、新しいカタチでの温泉ブーム到来を迎えた。山間の湯治場や秘湯、情緒あふれる温泉街、素朴な露天風呂、個性あふれる温泉宿の湯や食、共同浴場や新しい温泉施設など、さまざまな特色ある温泉地が紹介されており、海外からも多くの観光客が日本のONSENを求めて訪れている。このように、現在の温泉地と温泉文化は極めて多様化・グローバル化しながらも、天与の恵みである温泉は、古今東西、共有の財産として今日に受け継がれているのである。

家庭の味 [1200字]

 近年はいわゆる核家族化が次第に徹底してきて、小家族で暮らすのが普通になってきたので、大家族で育ってきた者にはお互いに理解できないようなことも多い。

 結婚や就職で独立して暮らすことで、親の世代の者から早く離れていくことは喜ばしいことと思われるし、めでたいことと言うべきであろう。

 しかし、親の世代は過去のものであり、それと離れることが新しい独立であると考えると、大切なものが失われていくことも多いと考えられる。大切なものとは永く暮らして積み重ねてきた生活の知恵である。中には面白くない知恵もあるが、容易に得られない知恵もあると思われる。

 例えば、家庭の食事、特に朝食の中に出される味噌汁。その家の自家製味噌で作った味噌汁ならば、すなわちそれは家庭の味そのものである。

 近年では朝食は親の手のかからないパン食になっている子供たちも多い。それはそれなりの理由があってのことだが、パン食では親の持つ味は表現できにくい部分が多い。例えばご飯の炊き方は出せないし、もちろん自宅用の味噌汁の味も出ない。

 古来日本のその家庭の決まった味といえば、米のご飯の炊き方、その家の味噌を使った味噌汁、そしてその家でつけて常に食べている沢庵である。

 ところがその三者は全く形ばかりのものになり、近頃ではそれよりも料理の向付、煮物などに費用をかけ、人の手間をかけていくのが良いもてなしで、ご馳走であると思われているようだ。

 そこで名のある料理人が作ったものを求めるわけで、家庭で主婦や主夫の作る料理など粗末なものと思っている。珍しい材料を使い、料理人の手間をかけることが最高のもてなしと考えられ、それを求めているようだ。

 それは効果な代金を出して料理人が手間や技術をつくし、客を喜ばせるための珍しさを見せる料理であって、家庭ですることではないという茶事の根本的な考え方が失われ薄れてきていることは淋しい限りである。

 それはなぜそうなりつつあるのかということを考えると、一つにはその家庭の味を失って持たないという人たちが多くなったことがある。

 家庭の味とは、例えば毎朝食べる朝食で和食ならば味噌汁がつくのが通常で、その味は毎日変わることがない。決まった味を味わうことでその味が身についてくる。他家での味との違いは良い意味でも悪くても判別できるはずである。それがその人の身についた家庭の味といえる。

 そういう味がその人の持つ味で後に味わう全ての味覚の原点ともいえるものである。近年では時としてその味を持たない人たちが多くなって、自分で判別できないから名のある人たちが美味だといえばそう思うし、また、有名店の味は美味なものと思い込んでいる人たちも多い。

 最も単純な美味しさとは、その家庭の味だと言うことを知ってほしいと思う。

 子供の時から親に作ってもらった料理。その味は身についているもので、簡単に失われるものではない。それを大切にしよう。

おまけ

「日本語横綱」では、JLPT N1読解についてのおすすめ情報や上級レベルの日本語学習の勉強方法も紹介しています。日本語を勉強するときの参考にしてもらえたらうれしいです!

夢ノ富士雅久

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夢ノ富士雅久

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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